FOUNDEL

COLUMN

ChatGPT・Geminiで「近くの動物病院」と聞かれたとき選ばれる条件とは?

AI対策

「ChatGPTで『近くの動物病院』と検索されたとき、うちは出てくるのだろうか」
「AI対策と言われても、何から手をつければいいのかわからない」
「口コミが大事なのはわかるが、集める余裕がない」

結論から言うと、AIに選ばれる動物病院はAIが読みに行く場所に、自院の情報を置いているだけです。特別な技術は必要ありません。

弊社ではこの「AIが読みに行く場所」を特定するため、ChatGPTとGeminiに21パターンの質問を投入し、参照元のURLをすべて記録しました。その結果、AIが見ているページは5種類に集約されることがわかっています。

この記事でわかること
・AIが「近くの動物病院」に答えるとき、実際に読んでいる5種類のページ
・飼い主の聞き方によって、AIが見る場所が入れ替わること
・自院で手を打てる領域と、打てない領域の切り分け
・今日から着手できる具体的な手順

実測データをもとに、限られた時間と予算のなかで何から手をつけるべきかを優先順位をつけて解説します。10分で読めるので、ぜひ最後までご覧ください。

ChatGPTに選ばれる動物病院は「引用される場所」に情報を置いている

AIは病院の良し悪しを自分で判断していません。すでにWeb上にある情報を読み、要約しているだけです。

ChatGPTもGeminiも、質問を受けるとまずWebを検索します。そして見つけたページを読み、その内容を整理して回答を組み立てます。医療の質を評価しているわけではありません。

ここから導かれる結論は明確です。AIが読みに行く場所に自院の情報がなければ、どれだけ良い診療をしていても回答には登場しません。

図1|AIが「近くの動物病院」に答えるまでの流れ

STEP 1

飼い主が質問する

「近くの動物病院を教えて」

→

STEP 2

AIがWebを検索する

複数のページを読み込む

→

STEP 3

読んだ内容を要約する

病院名・特徴を提示

AIは自分で病院を評価しているわけではありません。すでにWeb上にある情報を読み、要約しているだけです。つまり、AIが読みに行く場所に自院の情報がなければ、回答に登場しません。

もう一点、押さえておきたい原則があります。自院のホームページに「丁寧な診療を心がけています」と書いても、それだけでAIは推薦しません。自院が自分で名乗る情報より、第三者が書いた情報のほうが重く扱われるためです。

口コミ、ポータルサイトの掲載情報、地域メディアでの紹介記事。こうした自院の外側にある記述が、ここで効いてきます。

AI検索の仕組みについては、以下の一次情報で確認できます。

出典

確認できること

Google 検索セントラル
「AI 機能とウェブサイト」

AI OverviewsやAIモードが
Webページをどう扱うか

Google
「Grounding with Google Maps」

AIが地図データを
参照する仕組み

総務省
「情報通信白書」

生成AIの利用状況に
関する国内統計

では、AIは実際にどこを見ているのか。次章で実測データをお見せします。

実録:ChatGPTは「近くの動物病院」で実際にどのページを見ているのか

ここからは推測ではなく、実際に計測した結果をお伝えします。

【調査の方法】
2026年9月、ChatGPTとGeminiに飼い主が実際に使いそうな21パターンの質問を投入。地域は世田谷区・名古屋市・福岡市の3エリア。回答が参照したページのURLをすべて記録し、種類ごとに分類しました。

回答数:42件/参照URL:120件

結果、AIが参照していたページは5種類に集約されました。

  1. ポータルサイト(最大勢力)
  2. Googleマップの口コミ
  3. 自院のホームページ
  4. Googleビジネスプロフィール
  5. 比較・まとめサイト

順に見ていきます。

図2|AIが参照したページの種類(実測)

2026年9月/ChatGPT・Gemini に21パターンの質問を投入し、参照元URLを分類

ChatGPT(参照URL 68件)

ポータルサイト 57.4%
その他 33.8%
自院サイト 8.8%

Gemini(参照URL 52件)

ポータルサイト 42.3%
自院サイト 30.8%
その他 26.9%

※ 弊社調べ。地域は世田谷区・名古屋市・福岡市の3エリアで実施。質問内容やタイミングによって結果は変動します。

①ポータルサイト|参照元の半分以上を占める最大勢力

最も多く参照されていたのがポータルサイトです。動物病院の情報と口コミをまとめて掲載している専門サイトを指します。

割合はChatGPTで57.4%、Geminiで42.3%。どちらも最大勢力でした。

特徴的なのは、参照が特定のサイトに集中していたことです。全国1万件以上の動物病院情報を扱う大手ポータルが、ChatGPTで30件、Geminiで15件と突出していました。

AI

ポータルの
参照割合

大手ポータル
の参照数

ChatGPT

57.4%

30件

Gemini

42.3%

15件

理由は単純です。多数の病院情報が同じ形式で整理されているページは、AIにとって扱いやすいからです。

②Googleマップの口コミ|評判や雰囲気を調べるプロンプトでみられる

口コミ・評判や雰囲気を調べるプロンプトで、AIがGoogleマップの口コミ情報を取得している行動が見られたりしました。

やはり口コミや評判を気にする飼い主さんは非常に多いので、Google口コミ・プロフィールをしっかりと強化し、現地の雰囲気が伝わりやすいように情報を設計していく方針です。

AIが地図データを参照する経路は別に用意されており、後の章で詳しく触れます。またGoogleマップは、AIを介さずに飼い主が直接見る場所でもあります。

③自院のホームページ|Geminiは3割が自院サイト

動物病院自身のサイトも参照されていました。ただし、ChatGPTとGeminiで大きな差があります。

AI

自院サイトの参照割合

ChatGPT

8.8%

Gemini

30.8%

Geminiのほうが、自院サイトを読みに行く傾向が強いという結果でした。

参照されていた自院サイトを見ると、共通点があります。診療時間・対応できる動物種・夜間対応の可否が、テキストとして読み取れる形で書かれていたことです。

診療時間などを画像のなかに文字として埋め込んでいる場合、AIは内容を読み取れません。

デザイン重視で作られたサイトほど陥りやすい落とし穴です。

④Googleビジネスプロフィール|Geminiは出典を示さず断定的に答える

Googleビジネスプロフィールについても、参照元URLとして直接示されることはありませんでした。

ただし、実測中に見逃せない挙動がありました。Geminiは参照元を一切表示しないまま、病院の所在地や診療時間を具体的に答えていたのです。

実際の回答では、次のような記述が並んでいました。

「〇〇4丁目に位置し、アクセスのしやすい場所にあります」
「毎日午前と午後の二部制で診療(9:00〜12:00、15:00〜19:00)」

この粒度の情報がどこから来ているのか、参照元が示されない以上、外からは確認できません。飼い主も出典が見えないまま情報を受け取ることになります。

⑤比較・まとめサイト|掲載可否を自院で決められない

「地域名 動物病院 おすすめ」といった切り口でまとめられた記事も参照されていました。

医療情報を扱うメディアや、ペット保険会社が運営するメディアが中心です。

ただしこの種のページは、掲載されるかどうかを自院で決められません。取材や掲載依頼が来れば対応するという、受け身の関わり方になります。

ここまでの5種類を並べると、自院で直接コントロールできるのは③の自院サイトだけだとわかります。

参照元

実測での位置づけ

自院で
操作できるか

①ポータルサイト

最大勢力

△ 基本情報のみ

②Googleマップの口コミ

評判・雰囲気の質問で

◎ 自院で更新可

③自院ホームページ

Geminiで30.8%

◎ 完全に操作可

④Googleビジネスプロフィール

所在地・診療時間

◎ 自院で更新可

⑤比較・まとめサイト

おすすめ系の質問で

✕ 掲載可否は他者

そして今回の実測では、もう一つ重要な発見がありました。飼い主の聞き方によって、AIが見る場所が入れ替わるのです。

具体的には、次のような差が出ました。

  • 「口コミが良い動物病院は?」→ 参照元の100%がポータルサイト
  • 「先生の雰囲気が優しい病院は?」→ 71%がポータルサイト
  • 「夜間に診てもらえる病院は?」→ 88%が自院サイト・救急施設

つまり、こういうことです。

病院の雰囲気や評判を知りたいとき、AIは第三者が書いた口コミを読みに行きます。一方、診療時間や夜間対応といった事実を確かめたいときは、病院自身のページを見ます。

どちらか一方だけを整えても、拾われる質問が限られてしまうということです。

AI

1回答あたりの
参照URL数

意味

ChatGPT

1.6件

ごく少数のページで
回答が決まる

Gemini

8.7件

複数を突き合わせる

もう一点、ChatGPTの参照数の少なさも見逃せません。1回答あたりの参照URLは平均1.6件でした。

検索結果のように10件が並ぶわけではなく、ごく少数のページだけを読んで回答が組み立てられています。その限られた枠に入れるかどうかで、結果が大きく変わります。

今回のデータは弊社が2026年9月に実施した調査によるものです。AIの回答は質問の文言・地域・実行するタイミングによって変動します。

また、AI各社の仕様変更によって結果が変わる可能性があるため、傾向をつかむ材料としてご覧ください。

ChatGPTに選ばれる動物病院はGoogleマップの対策を行っている

結論から言うと、限られた時間で成果を出すなら、Googleビジネスプロフィールから着手するのが最適解です。

理由は「自院でコントロールできて、費用がかからず、今日から始められる」のがここだけだからです。

前章の5種類を、この観点で整理してみます。

参照元

自院で
操作できるか

費用

着手までの
時間

ポータルサイト

△
基本情報のみ

上位表示は有料

—

比較・まとめサイト

✕

—

—

自院ホームページ

◯

数十万円〜

数か月

Googleビジネス
プロフィール

◎

無料

今日から

それぞれの事情を順に説明します。

ポータルと比較サイトは自院ではコントロールできない

参照元の最大勢力でありながら、自院の努力が最も届きにくいのがこの2つです。

ポータルサイトは、基本情報の登録や修正はできます。しかし掲載順を上げたり、書き込まれた口コミの内容を変えたりはできません。有料プランで上位表示される仕組みを持つサイトもありますが、費用が継続的に発生します。

比較・まとめサイトはさらに関与しにくい領域です。掲載するかどうかは運営側が決めており、こちらから働きかける手段がほとんどありません。

参照される割合は大きいのに、自院では動かせない。これがポータルと比較サイトの位置づけです。

ホームページの改修は時間と費用がかかる

自院サイトは完全にコントロールできる領域で、整備する価値は十分にあります。実測でもGeminiの参照元の30.8%を占めていました。

ただし、着手のハードルは低くありません。

  • 制作会社に依頼すると数十万円〜百万円単位の費用
  • 公開までに数か月を要する
  • 自院で更新できる仕組みがないと、1行の修正でも制作会社への依頼が必要

効果は確実にありますが、「今日から始める」には向いていません。中長期の投資として計画を立てる領域です。

AIが地図データを直接読む経路が広がっている

ここが今、Googleマップに着手すべき最大の理由です。

Googleは、AIが地図データを直接参照する仕組み「Grounding with Google Maps」を開発者向けに正式提供しました。公式の技術文書には、次のように記載されています。

  • 対象は2億5,000万件以上の地点情報
  • AIが参照できるのは、場所・住所・営業時間に加えて口コミ・写真
  • 「近くの〜」という位置に関わる質問では、地図検索と同じ挙動をする

さらにGoogleマップのアプリ自体にもGeminiが組み込まれ、地図画面で自然な言葉のまま質問できる機能が導入されています。日本では2026年8月に提供が発表されました。

これが意味するのは、AIが地図データを読む経路が、公式に整備されつつあるということです。

Googleビジネスプロフィールに登録された情報や口コミは、この地図データの一部です。

整備しておくことが、これから効いてくる可能性があります。

図4|AIが地図データを直接読む経路が増えている

Webページ経由に加え、地図データを直接参照する経路が加わった

これまでの経路

飼い主の質問

↓

Webページを検索

↓

ポータルサイト
比較記事
自院ホームページ

加わった経路

飼い主の質問

↓

地図データを直接参照

↓

店舗情報・住所・営業時間
口コミ・写真

Googleは2026年、Gemini APIで地図データを参照する仕組み「Grounding with Google Maps」を正式提供しました。AIが口コミや写真、営業時間を地図から直接読み取れるようになっています。

GBPは無料で、AIとGoogle検索の両方に効く

Googleビジネスプロフィールを最優先で推す理由は、3つあります。

理由

内容

費用が
かからない

登録も運用も無料。初期投資が不要で、
スタッフが空き時間に更新できる

自院で完全に
操作できる

診療時間の変更も写真の追加もその場で反映。
第三者の運営方針に左右されない

AI経由でなくても
効果がある

「動物病院 近く」の検索結果で地図が上部に表示。
飼い主が直接見る場所でもある

低予算で始められて、自院の裁量で動かせて、複数の経路に効く。この3つが揃っているのは、Googleビジネスプロフィールだけです。

ChatGPTに拾われる動物病院がGoogleマップで打っている3つの手

Googleビジネスプロフィールでやるべきことは、次の3つに整理できます。

  1. Googleビジネスプロフィールの設計(最初に一度で完了)
  2. 継続的な投稿(月2〜4回)
  3. 口コミの収集・獲得(最も難しく、最も差がつく)

順に解説していきます。

図5|Googleマップで打つべき3つの手

① プロフィールの設計

・カテゴリと診療内容

・診療時間と休診日

・院内と設備の写真

最初に一度整えれば完了

② 継続的な投稿

・季節の予防情報

・診療時間の変更告知

・新しい検査機器の紹介

月2〜4回の更新が目安

③ 口コミの収集

・来院後の依頼

・すべての口コミに返信

・内容の濃い口コミを増やす

最も難しく、最も差がつく

①Googleビジネスプロフィールの設計

最初に一度整えれば済む部分です。ここが空欄のままだと、AIも飼い主も判断材料を持てません。

カテゴリ・診療内容・属性の設定

メインカテゴリは「動物病院」を選びます。そのうえで、追加カテゴリに実際の診療内容を反映させましょう。皮膚科や歯科に力を入れているなら、その旨が伝わる設定にします。

特に見落とされやすいのが対応できる動物種の記載です。

実測でも「ウサギを診てくれる病院は?」といった質問が投げられており、ここが書かれていなければ候補から外れます。逆に、診られない動物種を明記しておくことも、飼い主の無駄足を防ぐ意味で有効です。

説明文には、判断材料になる具体的な情報を書きます。

✕ 避けたい書き方

◯ 望ましい書き方

地域に密着した診療を
心がけています

土曜日も夕方まで診療
猫専用の待合スペースあり

丁寧な説明を
大切にしています

検査結果を画像で見せながら説明
費用は処置前に見積もりを提示

写真と診療時間の整備

写真は、外観・受付・待合室・診察室・設備の順に揃えます。

初めて来院する飼い主が最も気にするのは「どんな場所なのか」です。外観の写真があれば、道に迷わず来られます。

診療時間は、正確さが最優先です。

特に注意したいのが臨時休診と年末年始の設定です。

実際は休んでいるのにマップ上が営業中のままだと、来院した飼い主が閉まった扉の前に立つことになります。低評価の口コミにつながりやすい部分です。

夜間や休日の対応可否も明記しておきましょう。実測では夜間・救急に関する質問で参照元の88%が病院のページに切り替わりました。この情報の有無が、拾われるかを分けます。

②継続的な投稿

Googleビジネスプロフィールには投稿機能があり、お知らせを掲載できます。ここが半年以上更新されていない病院は少なくありません。

投稿する内容に、特別なものは必要ありません。日常の情報で十分です。

投稿のテーマ

具体例

季節の予防情報

フィラリア・ノミダニ・
ワクチンの時期

診療体制のお知らせ

診療時間の変更・臨時休診

設備・体制の更新

新しい検査機器の導入

院内の様子

スタッフ紹介・健康診断の案内

頻度は月2〜4回が目安です。毎日投稿する必要はありません。更新が続いていること自体が、情報が現在のものである手がかりになります。

投稿の文面では獣医療広告規制に配慮してください。

他院との比較や、治療効果を保証するような表現は避けます。事実を淡々と伝える形が、規制の面でも安全です。

③口コミの収集・獲得

3つのなかで最も効果が大きく、同時に最も難しいのが口コミです。

実測でも、「口コミが良い病院は?」「先生が優しい病院は?」といった質問に対して、AIは口コミが書かれた場所を読みに行っていました。

理由は明確です。飼い主が病院選びで最も知りたいのは設備の充実度ではなく「どう扱ってもらえるか」であり、それは口コミにしか書かれていないからです。

Googleのポリシーに違反しない依頼の仕方

口コミを依頼すること自体は問題ありません。ただし、方法には明確なルールがあります。

Googleのポリシーでは、割引やプレゼントなどのインセンティブと引き換えに口コミを依頼することは違反とされています。

「口コミを書いてくれたら次回の診察料を割引」といった依頼は行わないでください。違反が判明した場合、口コミが削除されたり、ビジネスプロフィール自体に制限がかかる可能性があります。

安全な依頼の仕方は、次のとおりです。

◯ 問題のない依頼

✕ ポリシー違反

会計時に口頭で
「もしよろしければ」と伝える

割引・プレゼントと
引き換えに依頼する

投稿ページのQRコードを
受付に置く

星の数を指定して
依頼する

診察後のフォローメールに
リンクを添える

低評価を書きそうな人だけ
依頼を避ける

すべての飼い主に同じ形で依頼するのが原則です。

口コミ獲得が最も難しい|多くの動物病院でつまずいている3つの実態

口コミが大切だという話は、これまで何度も聞かれてきたはずです。それでも実際に増えている病院は多くありません。

理由は意識の問題ではなく、構造の問題にあります。Googleマップを見ていくと、次の3つのパターンが繰り返し現れます。

  1. 低評価に返信できる時間がない
  2. 口コミの内容が薄く、AIが引用できない
  3. 投稿頻度が低く、情報が古いと判断される

それぞれ詳しく見ていきます。

低評価に返信できる時間がない

返信のない低評価が残っているのは、返信の必要性を理解していないからではありません。時間が取れないからです。

診療が終わるのは夜。そこからカルテの整理や翌日の準備が続きます。そのうえで感情的な内容の口コミに向き合い、事実関係を確認し、誤解を招かない文面を考える。この作業に必要な集中力は、一日の終わりに残っていないことのほうが多いはずです。

ただ、返信のない低評価は読む側に強く残ります。飼い主が病院を比較するとき、星の数より返信の有無を見ていることは珍しくありません。

同じ内容の低評価でも、丁寧な返信がついていれば「対応してくれる病院だ」と受け取られます。

【返信で押さえるべき3点】
・診療内容の詳細に踏み込まない
・個体を特定できる情報を書かない
・事実と異なる部分は、感情的にならずに説明する

獣医療広告規制の観点から、返信のなかで治療効果を約束する表現も避けてください。

口コミの内容が薄く、AIが引用できない

数を集めることに意識が向くと、見落とされるのが中身です。

同じ星5でも、書かれている内容によってAIの扱いはまったく変わります。

口コミの内容

AIが読み取れること

★★★★★
「良い病院でした。
またお願いします」

なし
どういう病院か説明できない

★★★★★
「猫の歯石除去でお世話に。
麻酔のリスクを検査結果を見せながら説明してくれ、
費用の見通しも事前に伝えてもらえた」

診療内容
説明の丁寧さ
費用の透明性

口コミの星評価分布と、未返信の口コミが一覧で確認できる管理画面
星評価の内訳と未返信の口コミを一覧で把握できると、対応漏れを防げる

実測で「先生の雰囲気が優しい病院は?」という質問に答えられていたのは、こうした具体的な記述がどこかに存在していたからです。

図6|AIが読み取れる口コミ・読み取れない口コミ

同じ星5でも、書かれている中身によって扱いが変わる

情報が読み取れない口コミ

★★★★★

「良い病院でした。またお願いします。」

診療内容も対応の特徴も書かれていないため、AIは「どういう病院か」を説明できません。

情報が読み取れる口コミ

★★★★★

「猫の歯石除去でお世話になりました。麻酔のリスクについて検査結果を見せながら説明してくださり、費用の見通しも事前に伝えてもらえました。」

診療内容・説明の丁寧さ・費用の透明性が読み取れます。AIが「説明が丁寧な病院」として扱える材料になります。

とはいえ、飼い主に長文を書いてもらうのは簡単ではありません。「口コミを書いてください」とだけ伝えても、何を書けばいいか分からず、結果として短い一言になります。

つまり「何を書くかの手がかりを渡せるかどうか」が、口コミの質を分けます。

投稿頻度が低く、情報が古いと判断される

3つめは、口コミが増えるタイミングの偏りです。

開院直後や、何かのきっかけでまとめて依頼した時期に集中し、その後は年に数件。こうした状態の病院は多くあります。

総数が30件あっても、直近1年の投稿が2件であれば、閲覧する飼い主は「最近の様子は分からない」と受け取ります。

院内の体制は変わります。スタッフが入れ替わり、設備が増え、診療方針も更新される。3年前の口コミが現在の病院を説明しているとは限りません。

必要なのは、まとめて集めることではなく少しずつでも途切れずに集まり続ける状態です。

そのためには、依頼を院長やスタッフの気力に依存させない仕組みが要ります。忙しい日でも回り続ける形にしておかなければ、結局は止まってしまうからです。

ChatGPTに選ばれる動物病院をつくる口コミの仕組み|クチコレという選択肢

前章の3つの課題は、どれも「やる気の不足」ではなく「時間と仕組みの不足」から生まれています。

裏を返せば、仕組みで解決できる部分が大きいということです。

弊社が提供している「クチコレ」は、この部分を担うサービスです。3つの課題にどう対応するかを説明します。

会計待ちの1分で、飼い主の負担なく集める

クチコレは、飼い主にアンケートへ答えてもらう形をとります。所要時間は約1分。会計を待っている間に完了します。

クチコレのAI口コミアンケート機能。管理画面でアンケート項目を自由に作成・編集できる
アンケート項目は管理画面から自由に設計できる

ここが重要な点です。白紙の投稿欄に向かうのではなく、質問に答えていく形にすることで、書くことに迷う状態を避けられます。

前章で触れた「何を書けばいいか分からず一言で終わる」という問題に、直接対応する部分です。

依頼する側の負担も軽くなります。

  • スタッフが口頭で長く説明する必要がない
  • 日々の会計業務のなかに組み込める
  • 誰が担当しても同じ形で依頼できる(特定のスタッフの頑張りに依存しない)

口コミ投稿の依頼にあたってはGoogleのポリシーを守る必要があります。

割引やプレゼントと引き換えに依頼することはできません。また、良い評価だけを選んで依頼することも避けてください。

アンケートを蓄積し、自院の強みを言語化してLLMO対策につなげる

クチコレのもう一つの側面が、集まった回答をデータとして蓄積する点です。これはAI検索の対策と直接つながります。

AIに選ばれるためには、自院がどういう病院なのかがWeb上に書かれている必要があります。ところが「自院の強みは何ですか」と問われて、具体的に答えられる病院は多くありません。

日々の診療のなかで当たり前になっていることは、自分では強みとして認識しにくいためです。

アンケートの回答が溜まると、そこが見えてきます。

クチコレの星評価分布と口コミ一覧の分析画面。未返信の口コミも一目でわかる
星評価の分布と、未返信の口コミが一覧で把握できる

繰り返し現れる回答

言語化できる強み

「説明が分かりやすかった」

説明の丁寧さが
選ばれている理由

「猫が怖がらずに済んだ」

猫への配慮が
実際に評価されている

言語化できた強みは、そのまま対策の材料になります。

  • ホームページの診療方針に反映する
  • Googleビジネスプロフィールの説明文に書く
  • ブログ記事のテーマにする

つまり飼い主の言葉で語られた強みを、AIが読める場所に配置していくという流れです。

競合との差別化も、この延長線上にあります。設備や診療時間で差をつけるのは簡単ではありませんが、どういう飼い主にどう向き合っているかは病院ごとに違います。

その違いが書かれていなければ、AIは区別のしようがありません。

AI検索対策の全体像については「動物病院のLLMO対策とは?AIに推奨される3つの条件と始め方」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

Googleマップの掲載順位まで計測する

施策を続けるうえで最大の難所が「効果が見えないこと」です。

口コミが増えても、それが来院につながっているのか分からなければ、続ける理由を保ちにくくなります。

クチコレのアンケート送信統計画面。送信数と外部URL遷移数、遷移率が数値とグラフで表示される
アンケートの送信数と口コミ投稿への遷移率を数値で追える

クチコレでは、Googleマップでの掲載順位を計測できます。「地域名 動物病院」で検索したときに自院が何番目に表示されるかを、定点で追う形です。

順位が見えると、判断ができるようになります。

  • 上がっていれば → 今の進め方を続ける
  • 変化がなければ → 写真や説明文を見直す

感覚ではなく数字で振り返れることが、施策を続けるうえでの支えになります。

※ 効果には個体差があり、順位の向上や集患数の増加を保証するものではありません。

ChatGPT・Geminiの動物病院集客に関するよくある質問

AI検索対策をすると、どのくらいで効果が出ますか?

施策によって異なりますが、半年程度は継続して様子を見ることをおすすめします。

施策

効果が見えるまでの目安

GBPの情報整備

比較的早い
修正が反映されれば表示に影響

口コミの蓄積

数か月単位

AIの回答への反映

数週間〜それ以上
AI側に取り込まれる時間差がある

短期で判断しないことが大切です。

小規模な病院でも効果はありますか?

あります。むしろ規模が小さいほうが取り組みやすい面があります。

AIが答えるのは「近くの動物病院」であり、対象は地域内に限られます。全国規模で競う必要はなく、同じエリアの病院と比べて情報が整っているかが問われます。

今回の実測でも、大手だけが参照されているわけではなく、個人経営と見られる病院のサイトも参照元に現れていました。

また、Googleビジネスプロフィールの整備は費用がかからないため、規模による差がつきにくい領域です。

自院がAIにどう出ているか、確認する方法はありますか?

ChatGPTやGeminiに、飼い主と同じ聞き方で質問してみるのが最も簡単な方法です。

「〇〇区で近くの動物病院を教えて」「〇〇市で口コミが良い動物病院は?」といった形で、複数のパターンを試してください。

確認するのは、自院が登場するかどうかだけではありません。

  • 自院は登場するか
  • どの病院が出てくるか
  • 参照元としてどのページが示されているか(=自院も載るべき場所)

AIの回答は同じ質問でも毎回変わります。

1回の結果で判断せず、複数回・複数の聞き方で試してください。

口コミを増やすために謝礼を渡してもよいですか?

Googleのポリシー違反にあたるため、行わないでください。

割引、プレゼント、ポイント付与など、何らかの見返りと引き換えに口コミを依頼することは禁止されています。

発覚した場合、口コミが削除されるだけでなく、ビジネスプロフィール自体に制限がかかる可能性があります。

ただし依頼すること自体は問題ありません。会計時に口頭で伝える、QRコードを置く、フォローメールにリンクを添えるといった方法であれば、ポリシーの範囲内です。

獣医療広告規制に抵触しませんか?

飼い主が書いた口コミそのものは、病院の広告にはあたりません。広告規制の対象となるのは、病院自身が発信する表現です。

ただし次の3つは病院側の発信にあたるため、規制に配慮した表現が必要です。

  • 口コミへの返信
  • Googleビジネスプロフィールの説明文
  • 投稿の文面

具体的には、治療効果を保証する表現・他院との優劣を示す比較・根拠のない「日本一」「最高」といった表現を避けます。

詳細は農林水産省が公開している獣医療広告に関する情報で確認できます。判断に迷う表現は、掲載前に確認しておくと安全です。

ChatGPTとGeminiで、対策を分ける必要はありますか?

分ける必要はありません。やるべきことは共通です。

今回の実測では両者に傾向の違いが見られましたが、対策として別のことをすべきという結果にはなりませんでした。

AI

傾向

ChatGPT

ポータルサイト依存が強い(57.4%)

Gemini

自院サイトの参照割合が高い(30.8%)

どちらも「Web上に情報が整理された形で存在していること」を前提としています。

特定のAIに合わせて最適化するより、情報を正確に、読み取れる形で置いておくことを優先してください。

まとめ|ChatGPTに選ばれる動物病院になるために今日から始めること

AIが「近くの動物病院」に答えるとき、見ているのはWeb上にすでにある情報です。医療の質を評価しているわけではなく、書かれていることを読んで要約しています。

実測で分かったのは、次の2点でした。

  • 参照元はポータルサイト・自院サイト・比較記事といった限られた種類に集中している
  • 飼い主の聞き方によって、AIが見る場所が入れ替わる

このうち、自院が完全にコントロールできるのは自院サイトとGoogleビジネスプロフィールです。ホームページの改修には費用と時間がかかりますが、Googleビジネスプロフィールは無料で、今日から着手できます。

AIが地図データを直接参照する仕組みも整備されつつあり、整えておく意味は大きくなっています。

【今日から始める3ステップ】

1.
Googleビジネスプロフィールの情報を点検する
 (カテゴリ・診療時間・対応動物種・写真)
2. 月2〜4回の投稿を習慣にする
 (予防情報・休診案内・設備紹介)
3. 口コミの依頼をスタッフ全員ができる形にする

3つのなかで最も難しいのが口コミです。低評価への返信に時間が取れない、内容が薄くなる、投稿が続かない。

これらは意識の問題ではなく、日々の診療に追われる環境から生まれる構造的な課題です。

だからこそ、個人の努力ではなく仕組みで支える必要があります。飼い主の負担を1分に抑え、書く内容の手がかりを渡し、集まった回答から自院の強みを言語化する。

その強みをAIが読める場所に配置していくことが、これからの集患につながります。

まずは自院がAIにどう表示されているか、確認するところから始めてみてください。

AI検索GoogleビジネスプロフィールLLMOMEO

← ブログ一覧へ戻る