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COLUMN

【チェックリスト付き】今の支援会社で大丈夫?動物病院のWeb対策で成果が出ない事例を解説!

事例・実績

「毎月お金を払っているのに、新患が増えている実感がない」
「レポートは届くけれど、それを見て何をすればいいのか分からない」
「ホームページは新しくしたのに、問い合わせの数は変わらない」

結論から言うと、Web対策で成果が出ない原因は、個々の施策ではなく「支援体制の組み方」にあることがほとんどです。

サイト制作は制作会社、広告は代理店、口コミは院内で対応——このように担当が分かれているほど、施策どうしがつながらなくなります。一つひとつは正しくても、全体として飼い主の来院につながらない状態が生まれます。

この記事では、動物病院のWeb支援でよく起きている5つのミスを、原因と見分け方まで含めて解説します。あわせて、今契約している支援会社が自院に合っているかを判断できるチェックリスト12項目も用意しました。

この記事でわかること
・動物病院の支援会社によくある5つのミスとその構造
・今の支援会社が自院に合っているかを判断する12項目のチェックリスト
・支援会社を見直すときに確認すべき契約・データ・権限の話
・サイト・MEO・口コミ・AI検索を一体で設計するという考え方

今の支援会社を責めるための記事ではありません。何が足りていないのかを言葉にできれば、次に何を依頼すべきかが決まります。10分で読めるので、ぜひ最後までご覧ください。

動物病院のWeb対策で成果が出ないのは、施策ではなく体制に原因がある

結論から言うと、施策の一つひとつが間違っているケースは意外と少なく、それらを束ねる体制が組めていないことのほうが多いです。

理由は「サイト制作」「広告」「口コミ」「地図表示」が、それぞれ別の担当・別の目的で動いているからです。飼い主の側から見れば、これらはすべて「その病院を知って、選んで、行く」という一本の流れです。

  1. 「やることはやっている」のに新患が増えない理由(施策が分断されている構造)
  2. 支援会社の良し悪しは、提案書ではなく「作ったあと」に出る(契約時に見えない差)

順に見ていきます。

「やることはやっている」のに新患が増えない理由

施策の数ではなく、施策どうしがつながっているかで結果が変わるからです。

たとえば、サイトをきれいに作り直したとします。それ自体は良いことですが、Googleマップの情報が古いままなら、飼い主はサイトにたどり着く前に離れます。逆に地図で上位に出ていても、口コミが数件しかなければ、隣の病院と比べられて選ばれません。

飼い主が来院を決めるまでの流れは、だいたい次のようになっています。

図1|飼い主が来院するまでの流れと、担当が分かれやすい場所

STEP 1

探す

検索・Googleマップ・AIに質問
担当:SEO / MEO

STEP 2

比べる

口コミ・評価・他院との比較
担当:口コミ(院内)

STEP 3

確かめる

ホームページで診療内容を確認
担当:制作会社

STEP 4

予約する

電話・Web予約・LINE
担当:不明なことが多い

飼い主にとってはひと続きの体験ですが、支援する側は担当ごとに分断されがちです。どこか1つが弱いと、そこで流れが止まります。

成果が出ていない病院ほど、「一番弱いところ」が放置されたまま、すでに整っている場所に予算が使われている状態になっています。

サイトのアクセス数だけを報告されている場合は注意が必要です。

アクセスが増えても、口コミや地図表示に穴があれば来院までは届きません。

支援会社の良し悪しは、提案書ではなく「作ったあと」に出る

契約前の提案書はどの会社も良く見えます。差がはっきり出るのは、公開してから半年後です。

制作の工程は、決められた期日までに作って納めるという意味で完了の形が明確です。一方で運用は終わりがなく、誰がどこまで見るのかを決めていないと、そのまま止まります。

時期

起きていること

差が見えるか

契約前

提案書・実績紹介・見積もり

見えない
どの会社も良く見える

制作中

デザイン確認・原稿のやり取り

少し見える
返信の速さ・提案の質

公開直後

デザインが新しくなり満足感が高い

見えない

公開から半年後

更新されたか・改善提案が来たか

はっきり出る

ここで多いのが、「更新できるようにCMSを入れました」で運用の話が終わっているケースです。仕組みは渡されているものの、何を書けばいいかは誰も決めていないため、結局トップページのお知らせが1年前のまま止まります。

院長やスタッフの時間は診療で埋まっています。「やり方を渡す」ことと「回る状態にする」ことは別だという前提で設計されているかどうかが、支援会社を見る最初のポイントです。

動物病院の支援会社によくある5つのミス

結論から言うと、以下の5つはどれも「悪意のある手抜き」ではなく、支援会社側の守備範囲の設計から生まれる構造的なミスです。

だからこそ担当者を変えても解決せず、契約の形を変えないと直りません。まず自院に当てはまるものがあるかを見てください。

  1. ミス① 施策を「線」ではなく「点」で捉えている(単発で終わり積み上がらない)
  2. ミス② サイトをリニューアルして満足している(公開日がゴールになっている)
  3. ミス③ レポートが「報告」で止まり、改善提案がない(数字を渡されて終わる)
  4. ミス④ 口コミ・AI検索など「第三者から見える自院」が範囲外(守備範囲の外に落ちる)
  5. ミス⑤ 担当業者がバラバラで、施策に一貫性がない(誰も全体を見ていない)

それぞれ詳しく説明します。

ミス① 施策を「線」ではなく「点」で捉えている

ひとつの施策が単独で完結していて、次の施策につながっていない状態です。

「今月はブログを2本書きました」「先月はGoogleビジネスプロフィールに写真を追加しました」——どれも施策ではありますが、その2つがどうつながっているのかが説明されないまま次の月に進んでいきます。

点で捉える支援と、線で捉える支援の違いは次のとおりです。

観点

✕ 点で捉えている

◯ 線で捉えている

施策の決め方

毎月あいた枠を埋める

前月の結果から次を決める

記事の作り方

思いついたテーマを書く

診療科目ページへ送る前提で書く

評価のしかた

実施したかどうか

来院までつながったか

3か月後

施策が並んでいるだけ

前の施策が次の土台になる

点の施策が積み上がらないのは、そもそも「どこに向かっているか」が共有されていないからです。

図2|「点」の施策と「線」の施策の違い

✕ 点で終わる施策

1月
ブログ2本

2月
写真追加

3月
広告出稿

4月
SNS開設

→ 実施はしているが、4月時点で1月の施策が何をもたらしたか誰も答えられない

◯ 線でつながる施策

1月
皮膚科の記事

2月
反応を確認

3月
診療ページ改善

4月
口コミで補強

→ 「皮膚科で選ばれる」という一つの目的に、すべての施策が積み上がっていく

見分け方は簡単です。「先月の施策は、今月の施策とどうつながっていますか」と聞いてみてください。答えが返ってこない場合、施策は点のままです。

ミス② サイトをリニューアルして満足している

サイトの公開日が実質的なゴールになっていて、公開後の改善が契約に含まれていない状態です。

リニューアル自体は必要な投資です。問題は、「新しくなった」ことと「選ばれるようになった」ことが別だという説明がされないまま終わる点にあります。

デザインが新しくなると、院内の満足度は確実に上がります。ただし飼い主が見ているのは、多くの場合デザインではありません。

院内が気にすること

飼い主が実際に見ていること

デザインの色味・写真の雰囲気

今日この時間に診てもらえるか

トップページの構成

うちの子の症状を診てもらえるか

スマホでの見え方

だいたいいくらかかるか

院長挨拶の文章

予約が必要か、どう取るか

右側の情報が揃っていないサイトは、どれだけ見た目を整えても飼い主の判断材料にならないため、比較の段階で候補から外れます。

契約書の段階で見分けるには、次の点を確認してください。

「公開日がゴールの契約」を見分けるポイント

  • 納品物の一覧に「公開後◯か月の改善」が入っていない
  • 保守費用の内訳がサーバー代とバックアップだけになっている
  • 公開後の打ち合わせ回数が決まっていない
  • 成果の指標について契約前に一度も話が出ていない

リース契約でホームページを作っている場合は特に注意してください。

途中解約ができない、または解約時に残額の支払いが発生する契約形態があります。契約書の解約条項を先に確認しておくと、見直しの選択肢が広がります。

サイトは公開した時点が最も情報の鮮度が高く、そこから何もしなければ古くなっていくだけです。「作ったあとに何をするか」が決まっていない契約は、時間の経過とともに価値が下がります。

ミス③ レポートが「報告」で止まり、改善提案がない

数字は届くものの、それを見て次に何をすればいいのかが書かれていない状態です。

「今月のアクセス数は1,200でした」「先月比で8%増えました」。事実としては正しいのですが、院長が知りたいのは数字ではなく、来月何をすべきかです。

もう一段だけ踏み込んだレポートもあります。「ブログを増やしましょう」「ページを追加しましょう」というものです。ただしこれも、提案としてはまだ足りません。

段階

レポートの内容

院長が判断できるか

レベル1
報告

アクセス数・順位の推移

できない
数字が並ぶだけ

レベル2
解釈

なぜ増減したかの説明

まだできない

レベル3
施策提案

「ブログを増やしましょう」

できない
何を書くかが不明

レベル4
実行可能な提案

「皮膚のかゆみで検索した人が多いので、来月この内容のページを作ります」

できる

レベル3とレベル4の差は、「誰が・いつまでに・何を作るか」まで決まっているかどうかです。ここが決まっていないと、提案は毎月同じ内容の繰り返しになります。

動物病院の場合、これは特に大きな差になります。院長やスタッフに、施策を自分で組み立てる時間はほとんどありません。「ブログを増やしましょう」と言われても、診療の合間にテーマから考えるのは現実的ではないためです。

【レポートの質を確かめる質問】

1.
このレポートを見て、来月やることは何になりますか
2.
それは誰が作りますか(自院か、支援会社か)
3. それをやるとどの数字が動く見込みですか

3つとも即答できる会社は、レベル4のレポートを出しています。

ミス④ 口コミ・AI検索など「第三者から見える自院」が範囲外

自院で管理しているサイトやGoogleビジネスプロフィールは見ているのに、その外側にある情報が誰の担当にもなっていない状態です。

飼い主が病院を選ぶとき、実際に見ているのは公式サイトよりも、口コミや第三者のページであることが多いです。さらに近年は、ChatGPTやGeminiに「近くの動物病院を教えて」と聞く飼い主も増えています。

ここで問題になるのが、支援会社の守備範囲です。

飼い主が見る場所

一般的な支援会社の担当

実態

公式ホームページ

制作会社

対応されている

Googleマップ

MEO会社

対応されている

Google口コミ

院内で対応

時間が取れず止まりがち

AIの回答

担当なし

誰も見ていない

ポータルサイトの掲載情報

担当なし

古い情報が残る

下の3行が、どの会社の契約書にも書かれていない領域です。悪意ではなく、そもそも業務範囲として想定されていません。

口コミが院内対応になりやすい理由も、現場を知っていれば分かります。診察の直後に飼い主へ口コミをお願いするのは、心理的に頼みづらいものです。会計時のスタッフは次の対応が待っていますし、治療の内容によっては声をかけること自体をためらう場面もあります。

口コミを増やしたい場合でも、依頼のしかたには決まりがあります。

割引やプレゼントと引き換えに口コミを依頼する行為は、Googleのポリシー違反にあたります。評価を限定した依頼(高評価の人だけに頼む等)も同様です。仕組みで解決する必要があります。

AI検索についても同じ構造です。自院がAIにどう説明されているかを確認したことがある病院は、まだ多くありません。誤った診療時間や、すでに行っていない診療内容が答えとして返ってくることもあります。

AIに自院が正しく認識されているかの確認方法は「AIに正しく認識される病院情報の整え方」、出てこない場合の原因の切り分けは「動物病院がAIに出てこない5つの原因と改善手順」で解説していますので、あわせてご覧ください。

ミス⑤ 担当業者がバラバラで、施策に一貫性がない

制作・広告・MEOをそれぞれ別の会社に依頼した結果、全体を見ている人が誰もいなくなる状態です。

各社は専門領域では良い仕事をします。ところが会社をまたぐ調整は、どこの契約にも含まれていません。結果として、その役割は院長が担うことになります。

図3|業者が分かれているときに起きること

A社|サイト制作

デザインと構成を担当。
広告の状況は知らない

B社|Web広告

出稿と運用を担当。
サイトは改修できない

C社|MEO

地図の順位を担当。
サイトの中身は範囲外

結果:調整役が院長になる

・広告のリンク先ページを直したいが、A社に別途見積もりが必要
・地図の写真とサイトの写真が違うが、どちらに言えばいいか分からない
・3社のレポートが届くが、数字の定義が揃っていない

診療の合間にこの調整を続けるのは現実的ではありません。結果として、どの施策も中途半端なまま止まります。

もう一つ起きやすいのが、成果の取り合いと、責任の押し付け合いです。新患が増えたときは各社が自社の成果として報告し、減ったときは他社の領域の問題として説明されます。

分散させること自体が悪いわけではありません。問題は、全体を見て優先順位を決める役割が契約に含まれていないことです。ここが空いている限り、施策の一貫性は生まれません。

FOUNDELが動物病院のWeb支援で大切にしていること

結論から言うと、前章の5つのミスは、支援の範囲を分けずに一つの設計として扱うことで解消できます。

FOUNDELが動物病院のWeb支援で前提にしているのは「院内の時間は診療で埋まっている」という現実です。そのうえで、次の4点を軸にしています。

  1. 施策を線でつなぎ、レポートを改善提案まで届ける(ミス①③への対応)
  2. サイト・MEO・SEO・LINEを一体で設計する(ミス②⑤への対応)
  3. 口コミとAI検索まで対策範囲に入れる(ミス④への対応)
  4. 動物病院で働いた経験から、現場の制約を前提に設計する

それぞれ詳しく説明します。

施策を線でつなぎ、レポートを改善提案まで届ける

分析した結果を報告して終わりにせず、次に何を作るかまで決めた状態でお渡しします。

アクセス数や検索順位は、それ単体では判断材料になりません。どのページで飼い主が離れているのか、どの検索語で来ているのに来院につながっていないのかを見て、その原因を潰す施策を提案します。

よくあるレポート

FOUNDELのレポート

アクセスが8%増えました

増えた分は「猫 嘔吐」からの流入です

直帰率が高いです

診療時間が探しにくいため、この位置に移します

ブログを増やしましょう

来月はこのテーマで2本、こちらで作成します

大切にしているのは、院長の作業が増えない形で提案することです。判断だけしていただければ進む状態にしてお持ちします。

サイト・MEO・SEO・LINEを一体で設計する

飼い主が探してから来院し、次にまた来院するまでを、ひとつながりの導線として設計します。

担当を分けないため、「広告のリンク先を直したいのでA社に別途見積もり」といった調整が発生しません。施策の優先順位も、全体を見たうえで決められます。

飼い主の段階

担当する施策

目的

探す

SEO・MEO・AI検索対策

候補に入る

比べる

口コミ・診療科目ページ

選ばれる

決める

ホームページ・予約導線

迷わせない

また来る

LINE公式アカウント

再来院につなげる

最後の「また来る」を含めている点が、制作会社との違いです。新患の獲得だけを追うと、費用に対する成果が頭打ちになります。ワクチンやフィラリアの時期の案内をLINEで届けられるようにしておくと、既存の飼い主からの来院が安定します。

【一体で設計する利点】

1.
施策間の調整を院長が担わなくてよい
2.
数字の定義が揃うため比較ができる
3.
弱い部分に優先して予算を配分できる

口コミとAI検索まで対策範囲に入れる

自院で管理していない領域、つまり第三者から見える自院の姿までを支援の範囲に含めています。

口コミについては、スタッフが声をかけなくても依頼が届く仕組みを作ります。会計時の一言に頼る方法は、忙しい日ほど実行されなくなるためです。

口コミ依頼で飼い主に尋ねる質問項目を管理画面で設定しているところ
聞く項目は病院ごとに設定できる。スタッフが言葉を考えなくても依頼が届く形にしておく
口コミの件数と評価の推移を管理画面で確認している様子
口コミの件数・評価の推移を管理画面で確認できるようにしておくと、施策の効果が判断しやすくなる

集まった口コミは、集めて終わりではありません。どの診療内容についての評価が多いのか、どこに不満が出やすいのかを読み取り、サイトの改善につなげます。

集まった口コミの内容を分析し、傾向を可視化した画面
口コミの内容を分析すると、飼い主が実際に評価している点と、改善が必要な点が見えてくる

口コミの依頼は、Googleのポリシーに沿った形でのみ行います。

インセンティブと引き換えの依頼や、高評価の方だけを選んだ依頼は行いません。すべての来院者に同じ導線で案内する設計にしています。

AI検索についても、実際に自院名を入れて質問し、どう説明されているかを確認するところから始めます。誤った情報が返ってくる場合は、参照元となっているページを特定して修正します。

動物病院がAIにどう説明されているかをまとめた診断レポートのイメージ
自院で確認する時間が取れない場合は、診断レポートで現状を把握する方法もある

AI検索対策の全体像については「動物病院のLLMO対策とは?AIに推奨される3つの条件と始め方」で詳しく解説しています。

動物病院で働いた経験から、現場の制約を前提に設計する

提案が実行されない最大の理由は、内容の良し悪しではなく、現場でその時間が取れないことにあります。

FOUNDELの担当者は、実際に動物病院で勤務した経験があります。そのため「診察の合間にこれをやってください」という提案が成立しないことを、前提として理解しています。

現場の制約

設計への反映

スタッフの手が空かない

声かけを必要としない導線にする

口コミを頼みづらい空気がある

会計以外の接点で依頼が届く形にする

院長が原稿を書く時間がない

こちらで下書きし、確認だけお願いする

繁忙期は施策が止まる

時期を見て施策量を調整する

もう一つの違いが、飼い主の悩みと、病気についての知識です。

「猫がごはんを食べない」「散歩の途中で足を上げる」といった飼い主の言葉と、その裏にある疾患のつながりが分かるため、飼い主が実際に検索する言葉で記事やページを設計できます。一般的な制作会社では、この部分をヒアリングだけで補うことになります。

現場を知っているからできること

  • 飼い主が使う言葉のままページのタイトルや見出しを設計する
  • 診療の流れを踏まえて無理のない口コミ依頼のタイミングを決める
  • 症例記事のテーマを診療実態に合わせて提案する
  • 獣医療広告規制に触れる表現を、原稿の段階で避ける

最後の項目は見落とされがちです。獣医療法では他院との比較広告や誇大広告が制限されています。Webに詳しくても獣医療に詳しくない会社が原稿を書くと、ここで指摘が入り、公開が遅れる原因になります。

広告可能な事項は農林水産省「獣医療広告制限の見直しについて」で確認できます(令和6年4月1日施行の改正を含む)。

【チェックリスト】今の支援会社が自院に合っているかの12項目

結論から言うと、当てはまる項目が4つ以上ある場合は、契約内容を一度見直す価値があります。

ここで見るのは支援会社の能力ではなく、契約に含まれている範囲です。良い会社でも、契約に入っていない仕事はできません。

  1. 契約・体制について(4項目)
  2. 施策・改善提案について(5項目)
  3. 情報共有・現場理解について(3項目)
  4. 何個当てはまったら見直すべきか

順に見ていきます。当てはまるものを数えながら読んでみてください。

契約・体制について(4項目)

まず確認したいのは、契約の範囲と、誰が全体を見ているかです。

ここが曖昧なまま進んでいる場合、施策の抜け漏れは担当者の努力では埋まりません。

No.

チェック項目

当てはまると起きること

1

保守費用の内訳を説明できない

何に払っているか不明
サーバー代だけの場合も

2

制作・広告・MEOが別の会社

調整役が院長になる

3

ドメイン・サーバーの管理権限が自院にない

乗り換えの選択肢が狭まる

4

契約書に成果の定義が書かれていない

評価の基準が持てない

3番は特に重要です。ドメインが支援会社の名義になっていると、契約終了時にサイトごと引き継げないことがあります。契約書か、ドメイン管理画面で名義を確認しておいてください。

施策・改善提案について(5項目)

次に見るのは、毎月の施策が積み上がる形になっているかどうかです。

ここは前章のミス①③に直結する部分で、半年続けたときの差が最も大きく出る領域です。

No.

チェック項目

当てはまると起きること

5

レポートが数字の報告で終わっている

来月の行動が決まらない

6

提案が毎月ほぼ同じ内容

前月の結果を見ていない

7

サイト公開後、内容が更新されていない

情報が古くなり続ける

8

施策の担当が「自院で対応」になっている

診療優先で実行されない

9

Googleビジネスプロフィールを1か月以上更新していない

地図経由の来院を逃す

8番は見落とされやすい項目です。提案書に「貴院にて対応」と書かれている施策が多い場合、実質的には施策が存在しないのと同じ状態になります。

情報共有・現場理解について(3項目)

最後は、支援会社が動物病院という業種を理解しているかを見る項目です。

ここが弱いと、提案の内容は正しくても、院内で実行できない形で届きます。

No.

チェック項目

当てはまると起きること

10

口コミやAI検索の話が一度も出たことがない

飼い主が見る場所が範囲外

11

獣医療広告規制の説明を受けたことがない

表現の修正が後から発生

12

繁忙期や診療の流れを聞かれたことがない

実行できない提案が届く

12番は、支援会社が院内の事情を前提に設計しているかどうかを測る項目です。フィラリアやワクチンの時期に施策を詰め込まれると、確認する時間すら取れなくなります。

何個当てはまったら見直すべきか

4個以上で契約内容の確認、7個以上で支援会社そのものの見直しを検討する段階です。

ただしすぐに解約すべきという意味ではありません。まずは今の会社に、埋まっていない部分を依頼できるかを相談するのが順序として先です。

当てはまった数

状態

次にやること

0〜3個

おおむね機能している

当てはまった項目だけ相談する

4〜6個

契約範囲に穴がある

契約内容の確認と追加依頼の相談

7個以上

体制そのものが合っていない

他社への相談を含めて検討

【相談するときの伝え方】

1.
当てはまった項目をそのまま伝える
2.
「契約に含まれているか」を確認する(できるかどうかではなく)
3. 含まれていない場合、追加費用と期間を出してもらう

「できます」と言われた項目については、次回の提案に入っているかまで確認してください。

このチェックリストは、支援会社の優劣を判定するものではありません。

自院に必要な支援と、契約している範囲がずれていないかを確認するための道具としてお使いください。※記載の内容は一般的な傾向であり、効果を保証するものではありません。

支援会社を見直すときに確認したい5つのこと

結論から言うと、見直しの成否は「新しい会社をどこにするか」より「今の契約から何を持ち出せるか」で決まります。

ドメインや過去のデータを引き継げないまま乗り換えると、これまで積み上げた検索評価をゼロから作り直すことになります。動く前に次の5点を確認してください。

  1. ドメイン・サーバーの管理権限が自院にあるか
  2. リース契約・最低契約期間の有無
  3. 過去のデータを引き継げるか
  4. 「成果」の定義をどう合意するか
  5. 獣医療広告規制に対応できる会社か

それぞれ詳しく説明します。

ドメイン・サーバーの管理権限が自院にあるか

最初に確認すべき項目です。ここが支援会社の名義になっていると、他のすべての判断に制約がかかります。

ドメインは、飼い主が覚えているサイトの住所そのものです。変更すると検索評価が引き継げず、名刺やパンフレットの記載も刷り直しになります。

【確認する場所】

1.
契約書の「ドメインの所有者」の記載
2. ドメイン管理会社からの更新通知メールの宛先
3.
サーバー管理画面のログイン情報を持っているか

3つとも自院側なら問題ありません。分からない場合は、支援会社に名義を確認してください。

リース契約・最低契約期間の有無

ホームページをリース契約で作っている場合、途中解約ができない、または残額の支払いが発生することがあります。

月額の支払いがあるからといって、すべてが保守契約とは限りません。契約書の名称と、解約に関する条項を先に読んでおいてください。

契約の形

途中解約

確認する場所

保守契約
月額制

できることが多い
◯か月前の通知

解約条項

リース契約

できない場合がある
残額の一括請求も

契約期間と残回数

年間契約

更新月まで継続

更新日と通知期限

解約できる時期が分かれば、それに合わせて次の準備を進められます。焦って動くより、更新月を起点に計画したほうが結果的に負担が小さくなります。

過去のデータを引き継げるか

アクセス解析のデータは、次の支援会社が最初の提案を作るための材料になります。

これがないと、次の会社はゼロから状況を把握することになり、最初の数か月が様子見に消えます。

引き継ぎを依頼したいもの

  • Googleアナリティクス(GA4)の管理者権限
  • Google Search Consoleの権限(検索での見え方が分かる)
  • Googleビジネスプロフィールのオーナー権限
  • サイトのデータ一式とWordPressの管理者権限
  • 広告アカウント(運用を依頼していた場合)

Googleビジネスプロフィールのオーナー権限には特に注意してください。

支援会社がオーナーのままだと、契約終了後に自院で情報を編集できなくなります。オーナーは自院、支援会社は管理者という形が安全です。

「成果」の定義をどう合意するか

次の会社と契約する前に、何をもって成果とするかを言葉にして揃えておきます。

ここが曖昧なままだと、半年後に「順位は上がっています」という報告と「新患は増えていない」という実感が並ぶ状態になります。どちらも事実であるだけに、話が噛み合いません。

指標

性質

使いどころ

検索順位・アクセス数

途中の指標

施策が効いているかの確認

電話・Web予約の件数

行動の指標

月ごとの比較

新患数

最終的な指標

半年単位での評価

再来院率

最終的な指標

LINE等の施策の評価

おすすめは、問診票に「当院を知ったきっかけ」の欄を設けることです。Web施策が新患にどうつながっているかを、院内のデータで確認できるようになります。

獣医療広告規制に対応できる会社か

獣医療法には広告の制限があり、これを知らない会社が原稿を書くと修正が後から発生します。

獣医療法第17条では、診療施設や獣医師の技能・療法・経歴に関する事項について、広告できる内容が定められています。虚偽の内容、他の診療施設との比較広告、誇大広告は認められていません。

令和6年4月1日施行の改正では、広告可能な事項が追加されました。

改正で追加された広告可能な事項(一部)

  • 農林水産大臣の指定する者が行う獣医師の専門性に関する認定
  • 高度な検査、手術その他の治療を行うこと
  • 獣医師の役職および略歴に関すること
  • 愛玩動物看護師の勤務する診療施設であること

詳細と最新の内容は農林水産省「獣医療広告制限見直しについて」で確認できます。原稿の段階でこの範囲を踏まえられる会社かどうかは、提案時に聞いておくと分かります。

動物病院の支援会社選びに関するよくある質問

今の会社との契約は、どのタイミングで見直すべきですか?

契約の更新月の3か月前から検討を始めるのが現実的です。

多くの保守契約には「解約は◯か月前までに通知」という条項があります。更新月の直前に決めると、もう1年継続することになります。まず契約書で通知期限を確認してください。

ただし、見直し=解約ではありません。足りていない部分を今の会社に追加で依頼できるかを先に相談するほうが、負担も費用も小さく済みます。

支援会社を変えると検索順位は下がりますか?

ドメインを変えなければ、会社が変わったこと自体で順位が下がることはありません。

注意が必要なのは、サイトを作り直すときにページのURLが変わる場合です。旧URLから新URLへの転送設定をしないと、それまでの評価が引き継がれません。

サイトを作り替える場合は、次の2点を必ず依頼内容に含めてください。

1. 旧URLから新URLへの転送設定(301リダイレクト)
2. 公開直後のリンク切れ・フォーム動作の確認

費用はどのくらいが相場ですか?

金額の幅が大きいため、相場より「何が含まれているか」で比較することをおすすめします。

同じ月額でも、サーバー代とバックアップだけの契約と、記事作成や改善提案まで含む契約では中身がまったく違います。

確認する項目

聞き方

保守の中身

この月額に何が含まれますか

更新の範囲

文章や写真の差し替えは何回まで無料ですか

記事作成

誰が書きますか(自院か貴社か)

追加費用

別途費用が発生するのはどんな作業ですか

分析レポートは毎月必要ですか?

頻度より、そのレポートを見て次の行動が決まるかどうかが重要です。

数字が並ぶだけのレポートなら、毎月受け取っても判断材料は増えません。3か月に一度でも、次にやることが具体的に決まるレポートのほうが価値があります。

今のレポートに対して「これを見て来月やることは何ですか」と聞いてみてください。答えが返ってこない場合は、頻度ではなく内容の問題です。

複数社に分けたほうが専門性は高くなりませんか?

専門性は上がりますが、それをまとめる役割を誰かが担う必要があります。

分散させること自体は選択肢のひとつです。問題になるのは、その調整役が院長になってしまう場合です。

複数社に分ける

1社にまとめる

各領域の専門性

高い

会社による

院長の調整の手間

大きい

小さい

施策の一貫性

保ちにくい

保ちやすい

向いている病院

Web担当者がいる

院長が診療に集中したい

院内にWeb担当者を置ける規模であれば、分散でも問題ありません。そうでない場合は、全体を見る役割まで含めて依頼できる形を選ぶほうが現実的です。

院内にWeb担当がいなくても運用できますか?

できます。ただし「自院で対応」となっている施策がどれだけあるかを、契約前に確認してください。

提案書のなかで「貴院にて実施」と書かれている項目は、実質的に実行されない可能性が高いと考えたほうが安全です。診療時間中に手が空くことは、ほとんどないためです。

【担当者がいない場合の依頼のしかた】

1.
提案書の各施策に担当者名を書いてもらう
2.
自院担当のものについて所要時間の目安を聞く
3.
現実的でないものは代行できるか相談する

口コミは支援会社に依頼してもいいのですか?

依頼が届く仕組みづくりは依頼できますが、口コミの内容そのものを作ってもらうことはできません。

Googleのポリシーでは、実際に利用していない人による投稿や、報酬と引き換えの投稿が禁止されています。支援会社に任せられるのは、あくまで来院した飼い主に案内が届く導線の設計と運用です。

口コミの集め方については「ChatGPT・Geminiで『近くの動物病院』と聞かれたとき選ばれる条件」でも触れていますので、あわせてご覧ください。

まとめ|動物病院のWeb対策は「作る」より「続けて改善する」体制で決まる

成果が出ない原因の多くは、施策の質ではなく、施策どうしをつなぐ役割が契約に含まれていないことにあります。

今回挙げた5つのミスは、どれも担当者の力量ではなく、支援の範囲の切り分け方から生まれるものです。だからこそ、契約の形を変えないと直りません。

よくあるミス

確認したいこと

① 施策が点で終わる

先月と今月の施策のつながりを説明できるか

② リニューアルで満足

公開後の改善が契約に入っているか

③ レポートが報告止まり

来月やることが決まるか

④ 口コミ・AIが範囲外

第三者から見た自院を誰が見ているか

⑤ 業者がバラバラ

全体を見て優先順位を決める人がいるか

大切なのは、今の支援会社を責めることではなく、どこが空いているかを言葉にすることです。それが分かれば、追加で依頼するのか、体制を変えるのかを判断できます。

そして、動物病院のWeb対策で最後に効いてくるのは「診療の合間でも回る形になっているか」です。どれだけ正しい提案でも、院内で実行できなければ成果にはつながりません。

【今日できること】

1.
記事内のチェックリスト12項目で当てはまる数を数える
2. ドメインとGoogleビジネスプロフィールの名義を確認する
3. 次回の打ち合わせで「このレポートで来月やることは何ですか」と聞く

3番目は今すぐ実行できて、支援体制の状態が最もはっきり分かる質問です。

AI検索への対応状況もあわせて確認したい場合は「動物病院がAIに出てこない5つの原因と改善手順」、Web対策全体の設計は「動物病院のLLMO対策とは?」で解説しています。

まずは自院のWeb対策のどこに穴があるかを把握するところから始めてみてください。

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