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COLUMN

動物病院の飼い主はAIに何を聞いているのか|相談内容から逆算するWeb集客設計のコツ

AI対策

「ホームページに記事を書いても、集患につながっている実感がない」
「AI対策と言われても、何のページを作ればいいのかわからない」
「飼い主がAIに何を聞いているのか、そもそも見当がつかない」

結論から言うと、飼い主は病院を探す前に「これは受診すべき症状か」をAIに相談しています。そして、その相談に答えるページを持つ病院のサイトが、AIに読まれています。

弊社では2026年9月、飼い主が使いそうな36パターンの質問をChatGPTとGeminiに投入し、参照元URLを281件記録しました。その結果、聞き方によってAIが読む場所が入れ替わることがわかっています。

この記事でわかること
・飼い主がAIに投げている5つの相談タイプ
・相談のときと病院探しのときで、AIが読む場所が変わること
・公式ホームページが最も読まれる相談テーマ
・相談内容から逆算して、どのページを作るべきか

実測データをもとに、何を書けば公式ホームページがAIに読まれるのかを具体的に解説します。10分で読めるので、ぜひ最後までご覧ください。

飼い主はAIに「病院探し」の前に相談している

結論から言うと、飼い主がAIを使うのは病院を探す場面だけではありません。その手前で「これは病院に行くべきか」を相談しています。

そしてこの相談の場面でこそ、公式ホームページがAIに読まれています。病院探しの場面ではポータルサイトに埋もれてしまう公式ホームページが、相談の場面では主役に変わります。

  1. 聞き方が変わると、AIが読む場所も入れ替わる
  2. AIは相談の答えの最後に受診をすすめている
  3. 公式ホームページが読まれるのは「探されるとき」ではない

順に見ていきます。

図1|飼い主がAIを使う2つの場面

場面1・先に起きる

相談する

「犬が3回吐いた。病院に行くべき?」
「避妊手術はいくらかかる?」
「子犬のワクチンは何回?」

AIが読む場所
公式HP 48.0%

→

場面2・あとに起きる

探す

「世田谷区の動物病院を教えて」
「口コミが良い病院はどこ?」
「評判のいい動物病院は?」

AIが読む場所
ポータルサイト 69.6%

病院探しの場面はポータルサイトが強く、公式ホームページが入り込む余地は限られます。一方相談の場面では、公式ホームページが参照元のほぼ半分を占めます。

実測:聞き方が変わると、AIが読む場所も入れ替わる

同じ動物病院というテーマでも、飼い主の聞き方が変わればAIが読むページの種類は入れ替わります。

これは推測ではありません。相談系と探索系の2種類の質問を投入し、参照元を分類した結果です。

【調査の方法】
2026年9月、ChatGPTとGeminiに36パターンの質問を投入しました。内訳は相談系21パターン(症状・原因・費用・予防・病院の選び方)と探索系15パターン(口コミ・評判・地域名)です。

地域を伴う質問は世田谷区・名古屋市・福岡市の3エリア。回答が参照したURLをすべて記録し、ドメインを1件ずつ確認して分類しました。

回答数:72件/参照URL:281件(うち国内131件)

※ 本記事の「公式ホームページ」とは、各動物病院が自院で運営しているサイトを指します。ポータルサイトや保険会社のメディアとは区別して集計しました。

結果は次のとおりです。

参照元の種類

相談したとき

探したとき

動物病院の公式HP

48.0%

21.4%

ポータル・比較サイト

29.3%

69.6%

公的機関・獣医師会

13.3%

0%

保険会社などのメディア

9.3%

7.1%

参照URL数

75件

56件

注目したいのは公式ホームページの参照率が2.2倍に開いている点です。相談されたときのほうが、公式ホームページははるかに読まれています。

探索クエリでポータルサイトが7割を占めるのは、病院を一覧で比較できる形になっているからだと考えられます。AIが「3院おすすめして」と求められたとき、1院ずつのサイトより一覧のほうが答えを作りやすい構造です。

【この実測からわかること】

1.
病院探しの場面で公式ホームページが勝つのは難しい
2. 相談の場面なら公式ホームページが読まれる
3.
作るべきページは「探される用」ではなく「相談に答える用」

※ 弊社調べ。質問内容やタイミング、地域によって結果は変動します。効果を保証するものではありません。

探索クエリでAIが参照する5種類のページについては「ChatGPT・Geminiで『近くの動物病院』と聞かれたとき選ばれる条件」で詳しく解説しています。

AIは相談の答えの最後に受診をすすめている

飼い主がAIに症状を相談すると、ほぼ確実に「動物病院へ」と案内されています。AIが受診の代わりになっているわけではありません。

相談系21パターンの回答を確認したところ、受診をすすめる文言が入っていた回答はChatGPTで95.2%、Geminiで90.5%でした。

項目

ChatGPT

Gemini

受診をすすめる
文言が入った回答

95.2%
20/21件

90.5%
19/21件

緊急性に
言及した回答

61.9%

52.4%

とくに症状の緊急度を尋ねる質問では、8件すべてで受診をすすめていました。実際の回答は次のような書き出しです。

【実際のAIの回答から】
質問:「犬が後ろ足を引きずっています。すぐ受診した方がいいですか?」

回答(ChatGPT):
「はい。後ろ足を引きずっているなら、基本的には『様子見』せず、できるだけ早く動物病院を受診してください。特に急に始まった場合は、今日中の受診をおすすめします」

この回答には参照元として動物病院のサイトが表示されていました。つまり、症状について書いてあるページを持つ病院が、受診をすすめる文脈のなかで名前を出されているということです。

AIが受診をすすめるからといって、そのまま自院に来るわけではありません。

参照元に公式ホームページが入っていなければ、飼い主が次に開くのは別の病院のページです。

公式ホームページが読まれるのは「探されるとき」ではなく「相談されるとき」

ここまでの2つを合わせると、公式ホームページに何を書くべきかがはっきりします。

飼い主は相談の段階でAIを使い、AIはその相談に答えられるページを読んで、受診をすすめる文章を組み立てています。読まれるページを持っているかどうかが、そこで分かれます。

✕ 効きにくい考え方

◯ 実測に沿った考え方

「地域名+動物病院」で
1位を取りにいく

相談に答えるページを作る

病院の紹介ページを充実させる

症状・費用・予防のページを作る

まず探してもらうことを狙う

相談の段階で見つけてもらう

次章では、飼い主が実際にAIへ投げている相談を5つのタイプに分けて見ていきます。タイプごとに、公式ホームページが読まれる度合いは大きく違います。

飼い主がAIにする質問と、返ってくる回答の特徴

結論から言うと、飼い主の質問は5つのタイプに分かれ、タイプごとにAIの答え方の癖がはっきり違います。

重要なのはタイプによって公式ホームページが読まれる度合いが大きく変わることです。同じ相談でも、費用の質問では67%の回答が公式ホームページを参照した一方、原因を尋ねる質問では17%にとどまりました。

  1. 症状の緊急度を聞く(すぐ受診すべきか)
  2. 症状の原因を聞く(何の病気か)
  3. 費用を聞く(いくらかかるか)
  4. 予防の時期を聞く(いつ何をするか)
  5. 病院の選び方を聞く(何を基準にするか)

それぞれ詳しく説明します。

図2|質問タイプ別|公式ホームページが参照された回答の割合

2026年9月/相談系21パターンをChatGPT・Geminiに投入(回答42件)

③費用 67%
④予防の時期 50%
①症状の緊急度 25%
②症状の原因 17%
⑤病院の選び方 17%

費用と予防は、公式ホームページが読まれやすい領域です。どちらも「病院ごとに答えが違う」ため、AIが一般論だけでは答えを作れないからだと考えられます。

※ 弊社調べ。回答は毎回変動するため、傾向を示すものです。

①症状の緊急度を聞く|「すぐ受診を」と即断する回答が返る

緊急度を尋ねられたとき、AIは様子見をすすめず、受診を促す答え方をします。

実測ではこのタイプの回答8件すべてが受診をすすめていました。「様子を見ていいですか」と聞いても、AIは安易に肯定しません。

【実際の質問と回答】
質問:「犬が後ろ足を引きずっています。すぐ受診した方がいいですか?」

回答(ChatGPT):
「はい。後ろ足を引きずっているなら、基本的には『様子見』せず、できるだけ早く動物病院を受診してください。特に急に始まった場合は、今日中の受診をおすすめします。後ろ足を引きずる症状は、椎間板ヘルニアなど脊髄・神経の病気でも起こり、進行すると歩けなくなることがあります」

この回答には参照元として動物病院のサイトが表示されていました。神経科の診療内容を説明したページと、症状について解説したページです。

項目

実測結果

受診をすすめた回答

8/8件(100%)

公式HPを
参照した回答

2/8件(25%)

主な参照元

ポータルサイト
保険会社のメディア

公式ホームページの参照が25%にとどまるのは、症状の解説はどこにでもある情報だからです。大手メディアが先に書いており、AIはそちらを読みます。

【公式ホームページが入り込む余地】

症状の説明そのものでは差がつきません。「その症状で当院に来たとき、何をするか」を書いたページなら、他院にはない内容になります。

②症状の原因を聞く|病名を並べて、絞り込まない回答が返る

原因を尋ねられると、AIは考えられる病気を複数並べ、特定を避けます。

「生理的な理由」と「病気のサイン」を分けて列挙し、最後に受診をすすめて終わるのが典型的な形です。AIが診断を下すことはありません。

【実際の質問と回答】
質問:「犬の呼吸が速いのはなぜですか?」

回答(Gemini):
「生理的な理由(自然な反応)である場合と、病気や体調不良のサインである場合があります。

1. 生理的な理由 … 運動の後/暑い環境/興奮や緊張
2. 注意が必要な理由 … 安静時にもかかわらず急に呼吸が速くなったり、苦しそうな場合」

このタイプは公式ホームページの参照が17%と最も低い領域です。実測では参照元に海外の獣医学情報サイトが多数含まれていました。

回答の特徴

内容

答え方

考えられる病名を複数列挙
特定はしない

回答の長さ

平均1,302字
5タイプ中で最も短い

公式HPの参照

1/6件(17%)

主な参照元

海外の獣医学情報サイト

このタイプで大手メディアと同じ内容を書いても、読まれる可能性は高くありません。

病気の一般的な解説記事は、すでに埋まっている領域です。

③費用を聞く|具体的な金額を出す回答が返る

費用の質問には、AIは必ず具体的な金額を提示します。そして最も公式ホームページを読むのがこのタイプです。

実測では費用に関する回答6件すべてに金額が入り、67%が公式ホームページを参照していました。5つのタイプで最も高い数字です。

【実際の質問と回答】
質問:「犬の避妊手術の費用はいくらぐらいですか?」

回答(ChatGPT):
「犬の避妊手術は、全国的には総額3〜7万円程度がひとつの目安です。
・10kg未満:3〜5万円前後
・10〜20kg:4〜7万円前後
・20〜30kg:5〜8万円前後」

なぜ公式ホームページが読まれるのか。理由は費用は病院ごとに違い、一般論では答えが作れないからです。AIは相場を示すために、実際に料金を掲載しているページを探しに行きます。

項目

実測結果

金額が提示された回答

6/6件(100%)

公式HPを
参照した回答

4/6件(67%)

回答の長さ

平均3,857字

実際に参照された
ページの例

避妊去勢の料金ページ
健康診断のコース料金
歯科処置の費用解説

費用ページを持っていない病院は、この最も読まれやすい入口を空けていることになります。

【公式ホームページが入り込む余地】

5つのタイプで最も大きい領域です。
金額を明記したページがあれば、AIが相場を答えるときの材料になります。

書き方の注意点は記事後半で扱います。

④予防の時期を聞く|標準的なスケジュールを示す回答が返る

予防の質問には、AIは月や回数を具体的に挙げて答えます。そして地域差にも触れます。

費用に次いで公式ホームページの参照率が高い領域(50%)です。予防の時期は地域の気候に左右されるため、AIは地元の病院の記述を探します。

【実際の質問と回答】
質問:「フィラリアの予防はいつからいつまでですか?」

回答(Gemini):
「一般的に『5月頃から12月頃まで(月に1回)』が基本となります。
『蚊が出始めてから1ヶ月後』に初回の薬を投与し、『蚊がいなくなってから1ヶ月後』まで毎月継続して投与します。地域による違いもあります」

注目したいのは「地域による違い」にAI自身が言及している点です。自院の地域に合わせた予防時期を書いておけば、その地域の質問で読まれる可能性が生まれます。

よく聞かれる内容

公式HPに書けること

フィラリア予防の期間

自院の地域での開始・終了月

子犬のワクチンの回数

自院での接種スケジュール

ワクチンは毎年必要か

自院の方針と考え方

予防にかかる費用

費用の質問とセットで書く

【公式ホームページが入り込む余地】

費用に次いで大きい領域です。
予防は時期・回数・費用がセットで聞かれるため、この3つを1ページにまとめておくと拾われやすくなります。

⑤病院の選び方を聞く|判断基準を列挙する回答が返る

選び方を尋ねられると、AIは判断基準をカテゴリごとに整理して並べます。特定の病院名は出しません。

このタイプは回答が平均5,718字と最も長くなり、参照元は公的機関や獣医師会が最多でした。公式ホームページの参照は17%です。

【実際の質問と回答】
質問:「いい動物病院の見分け方を教えてください」

回答(Gemini):
「診察・コミュニケーションのポイント
・丁寧なヒアリングと説明:治療方針や選択肢、費用について分かりやすく説明してくれること
・質問しやすい雰囲気
・動物への接し方

施設・衛生面のポイント
・院内の清潔さ ・設備と専門性」

ここでAIが挙げている基準は、そのまま公式ホームページに書くべき項目の一覧になっています。費用の説明、質問しやすさ、院内の清潔さ、設備。飼い主が確かめたい点がAI自身の口から示されています。

AIが挙げた判断基準

サイトで示せること

費用の説明が明確か

料金ページを用意する

説明が丁寧か

初診の流れを書く

設備・専門性

機器の名称と
できる検査を書く

院内の清潔さ

院内写真を載せる

二次診療への紹介体制

連携先の有無を書く

5つのタイプを見てきました。次章ではこれらの相談に答えるページを、どう作ればAIに引用されるのかを扱います。

AIに引用されるために公式ホームページに必要なこと

結論から言うと、AIに引用されるページは「1つの質問に、具体的な数字と条件で答えている」という共通点を持っています。

難しい技術は要りません。飼い主が聞いてくることに、自院の事実で答えるページを用意する。それだけです。

  1. 相談タイプ別に、作るページと優先順位を決める
  2. 1ページ1テーマで、質問の言葉をそのまま見出しにする
  3. titleタグに地域と診療内容を入れる
  4. 症状ページで大手メディアと同じ土俵に立たない

順に見ていきます。

相談タイプ別に作成するページと優先順位を決める

すべてのページを一度に作る必要はありません。公式ホームページが読まれやすい領域から着手するのが最短です。

実測の参照率をそのまま優先順位に置き換えると、費用(67%)と予防(50%)が先、症状(25%・17%)は後という順番になります。

優先

作るページ

公式HP参照率

1

診療費用・料金一覧
避妊去勢/健康診断/歯科処置

67%

2

予防のスケジュール
フィラリア/ワクチン/ノミダニ

50%

3

初診の流れ・院内案内
選び方の質問に対応

17%

4

症状別の診療内容
「この症状で来院したら何をするか」

25%

費用ページが1位なのは、病院ごとに答えが違い、AIが自分で作れない情報だからです。一般論で埋められない情報ほど、公式ホームページが読まれます。

【費用ページに載せる項目】

1.
処置ごとの金額(または範囲)
2.
体重や条件による変動の説明
3.
含まれるもの(術前検査・入院・抜糸など)
4. 別途かかる費用の有無

金額を載せるときは「〜円から」だけの表記を避けてください。

範囲と条件がわかる形で書くほうが、AIが引用しやすく、飼い主の誤解も防げます。

1ページ1テーマで、質問の言葉をそのまま見出しにする

1つのページに複数の話題を詰め込むと、AIが引用する箇所を特定できなくなります。

AIは質問に対する答えを探しています。ページの見出しが質問の形になっていれば、そこが答えだと判断しやすくなります。

✕ 引用されにくい構成

◯ 引用されやすい構成

「診療案内」1ページに
予防・手術・費用をまとめる

テーマごとに
ページを分ける

見出しが「予防医療について」

「フィラリア予防は
いつからいつまで?」

「料金表」の画像を1枚貼る

テキストの表で書く

結論が文末にある

見出しの直後に
結論を書く

右列の考え方は、飼い主にとっても読みやすい形です。AI向けの特別な書き方ではありません。

実際にGoogleも検索セントラルで、AI機能に表示されるために「新しい機械可読ファイルやマークアップを作る必要はない」と明記しています。必要なのは、内容が読み取れる形になっていることです。

出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」

titleタグに地域と診療内容を入れる

AIは参照元をtitleタグごと回答に表示します。ここは多くの病院が手つかずのまま残している領域です。

実測で確認したところ、回答の61.9%が参照元をタイトル付きで表示していました。飼い主はそのタイトルを見て、リンクを開くかどうかを判断します。

ところが、回答に登場した動物病院30件のtitleを調べると、地域名を入れていたのはわずか4件(13%)でした。

図3|AIの回答に露出したtitleタグの実態

回答に登場した動物病院30件のtitleを分類

病院名だけ 26件
地域名を入れている 4件
診療時間まで入れている 2件

実際に回答へ露出したtitleの例

◯ さいたま市大宮の動物病院|◯◯動物病院|土日も診療・駐車場8台完備

◯ 磯子区の◯◯動物病院|犬猫専門|皮膚科|避妊去勢手術

✕ ◯◯動物病院(病院名のみ)

※ 弊社調べ。病院名は伏せて表記しています。

上の例を見ると違いは明らかです。地域・診療時間・駐車場・専門分野が入っているtitleは、それだけで飼い主の判断材料になります。

titleに入れる要素

飼い主が判断できること

市区町村名・駅名

通える距離かどうか

対応動物種

自分のペットを
診てもらえるか

診療時間の特徴

土日・夜間に
行けるかどうか

専門分野

その症状に
対応しているか

駐車場

車で行けるか

【今日できる見直し】

トップページのtitleを次の形にするだけで変わります。

「{市区町村}の動物病院|{病院名}|{診療時間や専門の特徴}」

各ページのtitleも「{テーマ}|{病院名}|{地域}」の形に整えてください。

titleに詰め込みすぎると途中で切れて表示されます。

要素は3つ程度、全角30文字前後を目安にしてください。

症状ページで大手メディアと同じ土俵に立たない

症状の一般的な解説を書いても、大手メディアや海外の獣医学サイトに読み負けます。

実測でも、原因を尋ねる質問では参照元の多くが海外の獣医学情報サイトで、公式ホームページの参照は17%にとどまりました。

ではどう書くか。答えは「病気の説明」ではなく「自院での対応」を書くことです。

✕ 大手と競合する書き方

◯ 自院にしか書けない書き方

「犬の嘔吐の原因10選」

「嘔吐で来院されたとき
当院で行う検査」

「椎間板ヘルニアとは」

「当院の神経科診療と
二次診療への紹介体制」

「猫の腎臓病の症状」

「当院の腎臓病健診
コースと費用」

病気の一般的な解説

受診したあとの流れ

右列は他院が書き写せない内容です。そして飼い主が本当に知りたいのは、症状の一般論より「この病院に行ったら何をされるのか、いくらかかるのか」のほうです。

Googleの検索の基本ガイドにも、コンテンツについて「他者のコンテンツをコピーせず、自分で作ること」という趣旨の記述があります。独自性は検索でもAIでも共通して求められる要素です。

【この章のまとめ】

1. 費用と予防のページから作る(参照率が高い)
2. 1ページ1テーマ、見出しは質問の形に
3. titleに地域と診療内容を入れる
4. 症状ページは「自院での対応」を書く

ここまでが、AIに引用されるための条件です。次章では引用されたあとに何が起きるのかを見ていきます。

AIで認知されたあと、飼い主は2つの場所へ「確かめに」来る

結論から言うと、AIに名前を出されただけでは来院につながりません。飼い主はそのあと必ず自分の目で確かめます。

確かめる先はホームページと口コミの2つです。AIの回答は入口にすぎず、実際に選ばれるかどうかはこの2つで決まります。

  1. 確かめる先①|ホームページ
  2. 確かめる先②|Googleマップの口コミ
  3. 口コミを集める仕組みをつくる

順に見ていきます。

図4|相談から来院までに飼い主がたどる道のり

STEP 1

AIに相談する

「吐いた。病院に行くべき?」

→

STEP 2

AIが病院を挙げる

参照元と病院名が出る

→

STEP 3

飼い主が確かめる

ここで選別が起きる

STEP 3|飼い主が確かめる2つの場所

① ホームページ

診療時間は合っているか/自分のペットを診てもらえるか/費用はいくらか

② Googleマップの口コミ

実際に通った人がどう言っているか/評価はどのくらいか

確かめる先①|ホームページ

AIの回答を見た飼い主が最初に開くのは、参照元として示されたホームページです。

ここで知りたいことが載っていなければ、飼い主は別の病院に移ります。せっかくAIに引用されても、着地したページで離脱されては意味がありません。

飼い主が確かめたい項目は決まっています。前章でAI自身が挙げた「病院の選び方」の基準と、ほぼ一致します。

確かめたいこと

載っていないと起きること

今日は開いているか

その場で離脱する

自分のペットを
診てもらえるか

ウサギ・鳥などは
特に確認される

いくらかかるか

費用が不明だと
問い合わせが増える

予約が必要か

電話で聞くのを
面倒がられる

車で行けるか

駐車場の記載がないと
候補から外れる

注目したいのは、これらがすべて「AIに引用されるために必要な情報」と同じという点です。前章で挙げた項目を整えれば、引用対策と離脱防止が同時に進みます。

とくに多いのが診療時間の食い違いです。

サイトとGoogleビジネスプロフィールで内容が違うと、飼い主はどちらを信じていいかわからなくなります。臨時休診は決まった日に両方へ反映してください。

AIに出てこない原因の切り分けについては「AI検索で動物病院が出てこない5つの原因!改善手順3ステップも解説」で詳しく解説しています。

確かめる先②|Googleマップの口コミ

ホームページで条件を確認したあと、飼い主は「実際どうなのか」を口コミで確かめます。

サイトに書いてあるのは病院が自分で言っていることです。飼い主はそれを鵜呑みにせず、通った人の言葉を探します。

ここで押さえておきたいのが、AIが見ている場所と、飼い主が見る場所は違うという点です。

実測では、口コミや評判を尋ねる質問への回答で参照元の69.6%がポータル・比較サイトでした。1つのポータルサイトだけで参照URL 56件中24件を占めています。

聞かれ方

AIが参照した先

「口コミが良い病院は?」

ポータルサイト 75%

「説明が丁寧と
評判の病院は?」

ポータルサイト 69%

「◯◯区の動物病院は?」

ポータルサイト 71%

1回答で挙がった病院数

ChatGPT 9.9院
Gemini 6.9院

つまりAIはポータルサイトに載った情報をもとに病院を挙げています。そして1回の回答で7〜10院が並びます。

飼い主はその中から選ばなければなりません。候補が並んだあと、実際に何を見て決めるかというと口コミです。

【2段階で効く場所が違う】

候補に挙がる段階
 → ポータルサイトへの掲載が効く
候補から選ばれる段階 → 口コミが効く

どちらか一方では、来院までつながりません。

Googleマップの口コミは、飼い主が確かめに来る場所として最も見られています。星の数と、書かれている内容の両方が判断材料になります。

Googleビジネスプロフィールの整え方は「ChatGPT・Geminiで『近くの動物病院』と聞かれたとき選ばれる条件」で手順まで解説しています。

口コミを集める仕組みをつくる|クチコレという選択肢

口コミが大事だとわかっていても、日々の診療のなかで集め続けるのは簡単ではありません。

これは意識の問題ではなく、会計時に声をかける余裕がない、という現場の事情から生まれる課題です。多くの病院が同じところでつまずいています。

つまずくところ

背景にある事情

依頼ができていない

会計が混み合っていて
声をかける間がない

依頼しても
投稿されない

飼い主が何を書けばいいか
わからない

スタッフごとに
やり方が違う

伝え方が決まっていない

弊社が提供している「クチコレ」は、この3つを仕組みで解消するサービスです。アンケートに答えてもらう形にすることで、依頼する側も答える側も負担が小さくなります。

クチコレの管理画面で、飼い主に尋ねる質問項目を設定しているところ
聞く項目は病院ごとに設定できる。設問が「何を書けばいいか」の手がかりになる

渡すのはQRコード1枚です。スタッフによって伝え方が変わることもなく、飼い主は待ち時間に答えられます。

クチコレの分析画面。星評価の分布と返信がまだの口コミが一覧表示されている
評価の分布と未返信の口コミが一覧で見えるため、対応漏れに気づきやすい

集まった回答は管理画面で確認できます。どの点が繰り返し評価されているかが見えてくるため、その言葉をホームページの文章に反映することもできます。

前章で扱った「自院にしか書けない内容」を見つける材料にもなるということです。

クチコレの送信統計画面。アンケート送信数と外部サイトへの遷移数、遷移率がグラフで表示されている
送信数と遷移率が数値で出るため、施策が続いているかを確認できる

口コミを増やしたいときでも、謝礼や割引と引き換えに投稿を依頼してはいけません。Googleの投稿コンテンツポリシーで、口コミ投稿の見返りに金銭・割引・無料の商品やサービスを提供する行為が禁止されています。

依頼してよいのは、投稿のきっかけを渡すところまでです。

ポリシーの原文はGoogle「禁止および制限されているコンテンツ」で確認できます。

※ 効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。

飼い主のAI相談に関するよくある質問

院長からいただくことの多い質問を6つにまとめました。

AIに相談されると、来院が減るのではありませんか?

実測を見るかぎり、AIは受診を止めるのではなく、むしろすすめています。

相談系の回答で受診をすすめる文言が入っていたのはChatGPTで95.2%、Geminiで90.5%でした。症状の緊急度を尋ねた質問では8件すべてで受診を促しています。

むしろ問題になるのは、受診をすすめられた飼い主が、どの病院のページを開くかのほうです。そこに自院が入っているかどうかで差がつきます。

費用をサイトに載せると、安い病院と比べられませんか?

比較はサイトに載せなくても起きています。載せていない場合、AIは他院の金額だけを見て相場を答えます。

実測では費用の質問への回答6件すべてに金額が入っていました。飼い主は何らかの数字を目にしたうえで病院を探し始めます。

金額だけで比べられるのを避けるには、その費用に何が含まれるかを併記してください。術前検査・入院・抜糸まで含むのかどうかで、飼い主の受け取り方は変わります。

症状の記事を書いても意味がないということですか?

一般的な解説記事は競合が強い、というだけです。書き方を変えれば意味があります。

実測では、症状の原因を尋ねる質問で参照されていたのは海外の獣医学情報サイトや大手メディアが中心で、公式ホームページは17%でした。

一方で「その症状で来院したとき、自院で何をするか」は他院が書き写せない内容です。病気の説明ではなく、受診後の流れを書いてください。

ページを作ってから、どのくらいで読まれるようになりますか?

まずインデックスに登録される必要があるため、数週間はみておいてください。

Googleは検索セントラルで、AI OverviewsやAIモードに参考リンクとして表示される前提としてページがインデックスに登録されていることを挙げています。

公開してすぐ回答に出るわけではありません。読まれる状態をつくり、そのうえで内容が評価されるという順序です。

ChatGPTとGeminiで、対策を分ける必要はありますか?

分ける必要はありません。ただし読まれ方には違いがあります。

項目

ChatGPT

Gemini

相談時の
1回答あたり参照数

3.7件

1.3件

受診をすすめる割合

95.2%

90.5%

探索時に挙げる
病院数

9.9院

6.9院

どちらにも共通して効くのは、具体的な数字と条件を書いておくことです。プラットフォームごとの小手先の対策は必要ありません。

自院がAIにどう出ているか、確認する方法はありますか?

ChatGPTかGeminiに、飼い主と同じ聞き方で質問してみるのが最も早い方法です。

【試してみる質問の例】

1.
「{自院の地域}で犬の避妊手術の費用はいくら?」
2. 「{自院の地域}のフィラリア予防はいつから?」
3. 「犬が吐いています。病院に行くべき?」

回答に出た参照元のリンクを必ず開いてください。そこに自院が入っているかを確認します。

回答は毎回変わるため、3〜5回試して傾向として見ることをおすすめします。

動物病院のAI表示状況をまとめた診断レポートのイメージ
自院で試す時間が取れない場合は、外部の診断レポートで現状を把握する方法もある

まとめ|飼い主の相談に答えるページが、来院の入口になる

飼い主は病院を探す前にAIへ相談し、そこで名前を知り、そのあと自分の目で確かめて決めています。

この流れのなかで公式ホームページが最も読まれるのは、相談の段階です。実測では、相談されたときの公式ホームページ参照率は48.0%、探されたときは21.4%でした。

段階

やること

相談される

費用・予防のページを作る
参照率67%・50%

引用される

1ページ1テーマ
titleに地域と診療内容

確かめに来る

診療時間・対応動物種・
費用を明記する

口コミを見られる

口コミを集める
仕組みをつくる

まず費用ページから着手してください。5つの相談タイプで最も公式ホームページが読まれる領域であり、病院ごとに答えが違うためAIが一般論で埋められない情報です。

あわせてtitleタグの見直しは今日できます。回答の61.9%が参照元をタイトル付きで表示するのに対し、地域名を入れている病院は13%しかありませんでした。

【今日やること】

1. AIに飼い主と同じ聞き方で質問してみる
2. 参照元に自院が入っているか確認する
3. トップページのtitleに地域名を入れる

相談に答えるページを作り、確かめに来た飼い主が納得できる状態にしておく。この2つが揃ってはじめて来院につながります。

AI検索の全体像は「動物病院のLLMO対策とは?AIに推奨される3つの条件と始め方」、出てこない原因の切り分けは「AI検索で動物病院が出てこない5つの原因」で解説しています。

まずは自院がAIにどう出ているかを確認するところから始めてみてください。

AI検索LLMOSEO

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